年賀状はほとんど出さなくなった。仕事の書類も、画面のまま提出できることが増えた。
それでも、ときどき紙が必要になります。
役所へ出す書類、学校から届いたPDF、地図、返品用のラベル。そんな一枚のためにプリンターを買うべきか、コンビニへ行けば十分なのか。印刷する回数が少ない人ほど、判断しにくいところです。
これは、「車を所有するか、必要なときだけ借りるか」という迷いに少し似ています。使う回数だけでなく、必要なときにすぐ使えることへ、どれだけ価値を感じるかで答えが変わります。
そこで、今回は特定の機種を選ぶ前に、次の4通りを比べます。
- プリンターを持たず、コンビニで印刷する
- 安価なカラーインクジェット複合機を置く
- モノクロレーザープリンターを置く
- 印刷量が多い人向けのボトル式インクジェット複合機を置く
これは実機を使い比べた記事ではありません。2026年8月24日時点の公式料金・製品仕様と、型式を確認できた利用者の投稿を分けて整理しました。
違いを先に見る
| 選択肢 | 向いている使い方 | 使い始めてから必要になること |
|---|---|---|
| コンビニ印刷 | 年に数回。店へ行くまで待てる | ファイルの準備、店までの移動、店頭での操作 |
| 安価なカラーインクジェット複合機 | 少量でも、カラー印刷・コピー・スキャンを自宅ですぐ使いたい | インク購入、ヘッドクリーニング、接続確認、置き場所 |
| モノクロレーザープリンター | 白黒の書類が中心。文字を速く印刷したい | トナーとドラムの交換。単機能機ならコピー・スキャン不可 |
| ボトル式カラーインクジェット複合機 | カラー文書を継続して多く刷る | 購入時の負担、インク補充、ヘッドの手入れ、置き場所 |
表だけでは決められません。印刷代だけならコンビニが安い人でも、夜に一枚出せることへ価値を感じる場合があります。反対に、本体が安いから買っても、数か月に一度しか使わなければ、置き場所と手入れを引き受けることになります。
コンビニ印刷はいくらかかるのか
セブン‐イレブンの「かんたんnetprint」公式料金では、A4普通紙1ページが白黒20円、カラー60円です。ファミリーマートのネットワークプリントも、A4普通紙は白黒20円、カラー60円です。
これは、あらかじめネット上へファイルを登録して印刷する場合の料金です。USBメモリーや店内Wi-Fiでマルチコピー機へ直接送る方法では、料金が異なることがあります。たとえばローソンのPDFプリントは、A4普通紙が白黒10円、カラー50円です。
両面印刷は、紙一枚ではなく表と裏の各ページに料金がかかります。
ここでは、セブン‐イレブンとファミリーマートのネット登録方式の料金で、一年分を試算します。
| 一年間の印刷量 | コンビニ印刷の合計 |
|---|---|
| 白黒30ページ+カラー10ページ | 1,200円 |
| 毎月、白黒10ページ+カラー5ページ | 6,000円 |
| 毎月、白黒30ページ+カラー20ページ | 21,600円 |
交通費は含めていません。反対に、プリンターを家に置いた場合に必要な本体代、紙代、電気代、交換部品代も、この表には入っていません。
年に白黒30ページ、カラー10ページ程度なら、5年間でも6,000円です。金額だけを比べると、プリンターを買わない方が軽く済む可能性があります。
ただし、コンビニ印刷にも手間があります。ファイルを登録し、店へ行き、端末を操作する必要があります。セブン‐イレブンの登録データは、かんたんnetprintの場合、登録翌日の23時59分を過ぎると自動削除されます。暗証番号も設定できます。ファミリーマートなどのネットワークプリントでは、標準の保存期間が登録日を含め8日間です。
ネット上へ書類を登録することに抵抗がある場合は、スマートフォンから店内Wi-Fiで送る方法やUSBメモリーを使う方法もあります。コンビニのマルチコピー機では、紙のコピーや、紙をPDFなどにするスキャンもできます。サービスによって対応形式と操作が異なるため、大切な書類ほど、使う店の公式案内を先に確認しておく方が安心です。
安価なカラーインクジェットは「家にある安心」を買う
安価なカラーインクジェット複合機の例として、エプソンEW-056Aを見ます。
公式仕様では、印刷のほか、A4のコピーとスキャンができます。A4カラー文書1ページの公式インクコストは約16.2円。紙代は含まれていません。本体は収納時で幅390×奥行300×高さ146mmですが、印刷時の奥行きは504mmになります。
一枚のインク代だけなら、コンビニのカラー60円より低く見えます。しかし、ここへ本体代と紙代が加わります。また、公式の印刷コストは一定の測定条件による値です。エプソンは、初回のインク充填や、印字品質を保つ動作でもインクを使うと説明しています。
ヨドバシ.comの同一型式レビューには、たまに印刷する用途なら十分だったという投稿があります。一方、価格.comの同一型式レビューには、Wi-Fi設定、動作音、印刷速度、インクの減り方を負担に感じた投稿もありました。
これは、すべての個体で同じ問題が起きるという意味ではありません。購入後の満足が、印刷のきれいさだけでなく、接続や待ち時間にも左右されていることは分かります。
少量しか刷らなくても、次のような事情があるなら、家に置く意味があります。
- 夜間や出かける直前に印刷することがある
- カラーの書類をすぐに出したい
- コピーやスキャンも自宅で済ませたい
- 店までの距離や外出の負担が大きい
支払うのはインク代だけではありません。「必要なときに家で完結できること」へ、本体代と手入れの手間を払えるかで考えます。
白黒文書だけなら、モノクロレーザーという選択がある
カラーも写真も不要で、文字の書類が中心なら、モノクロレーザープリンターが候補になります。
例としてブラザーHL-L2460DWを見ると、公式仕様では、A4白黒1ページのトナー代が約3.3円です。ドラム代を含む合計は約4.0円。どちらにも紙代は含まれません。毎分約34ページ、自動両面印刷と無線LANに対応しています。
インクジェットの液体インクとは仕組みが違うため、プリントヘッドのノズル詰まりを心配する必要はありません。その代わり、トナーとは別にドラムも交換します。本体は幅356×奥行360×高さ183mm、消耗品を含む重さは約7.1kgです。
また、HL-L2460DWは印刷だけをする単機能機です。紙の書類をコピーしたり、スキャンしたりはできません。ここを見落とすと、買った後に別の機器が必要になります。
ヨドバシ.comの同一型式レビューでは、細かい文字の見やすさを評価する投稿がありました。Yahoo!ショッピングの同一型式レビューでは、印刷速度や無線接続を便利とする投稿が見られます。その一方、価格.comの同一型式ページには、封筒の手差し給紙で困ったという経験もありました。
「たまにしか使わないからレーザー」ではなく、「白黒しか要らず、コピーとスキャンも不要だからレーザー」と考える方が選びやすくなります。
ボトル式は、たくさん刷る人ほど意味が出る
カラー文書を継続して多く印刷するなら、ボトルからインクを補充する機種があります。
エプソンEW-M757Tの場合、公式仕様で、A4文書1ページのインクコストは、増量ボトル使用時に白黒約1.6円、カラー約3.7円です。紙代は含まれません。コピー、スキャン、自動両面印刷にも対応します。
ただし、公式直販価格は2026年8月24日の確認時点で5万円前後です。印刷枚数が少ない家庭では、一枚ごとのインク代が安くても、本体価格の差を取り戻せるとは限りません。
エプソンは、同社製品を比べる際の目安として、500枚入りのA4用紙を1年で使い切る人にボトル式を勧めています。月に直すと約40枚です。
正確な枚数を数える必要はありません。500枚入りの用紙を1年で使い切るかどうかを思い出せば、おおよその見当はつきます。毎月それほど印刷しないなら、1枚あたりの安さだけで、本体価格の高いボトル式を選ぶ必要はなさそうです。
自分の場合はどれか
コンビニ印刷から始めやすい人
印刷は年に数回で、店へ行くまで待てる人です。置き場所も手入れも不要です。まず数か月使ってみて、外へ出る回数や支払額が負担になってから購入を考えられます。
安価なカラーインクジェットを置く意味がある人
枚数は少なくても、カラー印刷、コピー、スキャンを自宅ですぐ使いたい人です。本体の安さだけでなく、交換インク、使用時の奥行き、接続方法を確認して選びます。
モノクロレーザーが合いやすい人
教材や仕事の資料など、白黒文書が中心の人です。カラーとコピー・スキャンを手放せるかを先に考えます。単機能機では困る場合は、モノクロレーザー複合機も候補になります。
ボトル式を検討したい人
子どもの教材、仕事、地域の資料などで、カラー文書を毎月まとまって刷る人です。一枚の安さではなく、数年間に刷る総枚数と本体価格を一緒に見ます。
結論
プリンターを買うべきかどうかは、印刷枚数だけでは決まりません。
年に数十ページなら、コンビニ印刷の方が総額を抑えやすいでしょう。それでも、店が遠い、必要になる時間が読めない、コピーやスキャンも使うという人には、自宅に置く価値があります。
大切なのは、「一枚いくらか」だけで決めないことです。
買わなければ、店へ行く手間が残ります。買えば、本体代、置き場所、消耗品、接続と手入れが残ります。どちらの手間なら引き受けられるかを考えると、必要な答えが見えやすくなります。
調査日:2026年8月24日
この記事は、各サービス・メーカーの公式サイトと、型式を確認できた複数の利用者投稿を確認して作成しました。実機を使用したレビューではありません。利用者の感想は個人の経験であり、同じ結果を保証するものではありません。料金や仕様、対応サービスは変更されることがあります。利用前・購入前に、公式サイトで最新情報をご確認ください。
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